こんにちわ

最近はX-T2を持ち歩いていて、ふとしたことで見つけた飾り物やオブジェ、ディスプレイものを記録している中で丁度タイムリーに同僚からカメラを始めるのに、夜の撮影を重視した場合、向いているエントリーの一眼って何が良い?
的な相談があったので、こんな写真から。夜とコウモリはまさに良い感じの組み合わせ。


FUJIFILM X-T2 XF27mmF2.8 sspd:1/125 F2.8 ISO1600 Provia COL:+1 AWB DR:100% EV:-0.33 / H-Tn:0 S-Tn:0 SH:+2

ところで、この質問、意外に難しい質問だなって感じまして、うまく答えられなかったんです。

何せ、対抗馬はiPhone7Plus。つまり予算は10万円以下、出来れば5万円くらい。
意外にも無いんですよね、夜景でも安心して撮れる一眼キット。ギリで枠に入るのがX-A2のレンズキットか型落ちのEOS。・・・でもそれならタッチ液晶操作付いて24MPな解像度のセンサーで7.5万円のFUJIFILM 新型 X-A3の方をお勧めしたい。
別メーカーで周りを見る。
とはいえ、いくらボディが安くなってるK-S1に代表されるKマウントがスコープ内に入っていたとしても、肝心のズームレンズが暗い奴ばっかりなので(ピーカン時にしか使えなく)、結果コレは目的と違う。他のNikonやCanonの3〜4年前の型落ちも似ている。
夜景メインということを中心に置くと、PENTAX Q系列はちょっとお話しにならない。

かなり難しい分野です。早くX-A3が世に出て、値段もこなれて59,800クラスになると怖いものなしな感じもしているだけに、惜しい。

ところで、そもそもX-T2の夜景と言うか自分のメイン機になったこのカメラの夜の撮影シーンはどのくらい使い物になっているのだろう?、と言う疑問が湧いたので、真夜中と言うより真っ暗な環境に相当する過酷なシーンで撮るチャレンジをしてみました。

今回のチャレンジは、BATMAN v.s. SUPERMANになぞらえ、X-T2をSUPERMANとして扱うとして、相手(題材)は、やっぱり、BAT/・・・つまりコウモリとしてみました。

FUJIFILM X-T2 XC50-230mmF4.5-6.7OISII sspd:0.3 F6.4 ISO12800 Classic Chrome WB:Incandescent DR:100% EV:-1.67 S-Tn:-2 SH:-2
#真っ暗な中の撮影なんです、これ 

動物園の中にある室内の建物、まるっきり暗闇で目が慣れてこないと何があるのかすら判り難い場所での撮影です。もちろん、AF補助光があるお蔭で撮影できる技でしょう。
ISO感度が他のメーカーと違って一段上がっているので、実質6400?まぁ、どっちにしても割と綺麗に「真っ暗な中」が撮れているんでビックリです。
さらにレンズもXC50-230mmという明るくないレンズでのチェックです。つまりレンズの影響は最も抑えたレベルでAF性能もイマイチなレンズ環境で勝負なんですが、なんともいい感じ。

FUJIFILM X-T2 XC50-230mmF4.5-6.7OISII sspd:0.3 F6.4 ISO12800 Classic Chrome WB:Incandescent DR:100% EV:-1.67 S-Tn:-2 SH:-2
#意外にも地べたにいるコウモリさんは羽を広げてお休み中

真っ暗な中での撮影、こんな状態で使ってみた感想として、「そこそこAFが掴めている」感じでしょうか。Proほど色んな機材を試せているわけではありませんが、自分的には結構キてる感じがします。
いや、楽しいです、これ。真っ暗で薄明かりの中、本当にカメラの液晶しか見えないくらいの中、撮れちゃっています。

「そこそこ」とした理由は、AUTOなISO12800でシャッタースピードを確保できないため手ブレしちゃう方が多く、精細感を確認できない現状でしたし素人目なので敢えてそう言わさせてもらっています。
ただ、多少の手ぶれ補正機能を遥かに超える速度になり、ブレます。
そりゃ望遠で1/100sすら確保できんので「しゃあない」です。
手元も見えないくらいの環境でこのレベル感でピントも合う、コウモリを闇夜でキャッチできる、これはとても嬉しく感心しています。

ただし楽しいとキレイかどうかは別。いくつか撮った中でそれらしいものを見つけて選んでみましたが、ISO12800になると、そもそも毛のフサフサ感とか判らないレベルになっちゃうのでどこまでピントが合っているのか微妙に読めないのが現実。
連写して半分くらいは「ブレ」ていることになる前提ですので記録媒体的にも優しくはありません。
できるだけ明るいレンズ使っていくのが良いと思います。

 * * *

ところで、5万円で夜景も大丈夫なエントリー向け一眼、本当に2年型落ちでも厳しいですね。

最終的に明るいレンズ、その追加投資を考えるとiPhone7Plusより高価になってしまうのが今の一眼カメラのエントリークラスの現状です。一眼カメラに興味を持たれたのは広角で暗いところも撮りたいからだそうで、うん、確かにiPhoneではまだまだハード的に厳しいところです。

まあ、正直、予算枠5万円じゃ明るいレンズ1本+ボディすら買えないよ、『それは難しい金額枠だっ』ていうのはカメラ歴4年も経てば理解したことではあります。
ですが、初心者が買う際に一番に考える枠は、やっぱり5万円くらいなんじゃないかな、とも思います。

ここにどんなエントリーが来るのか、が、今後のカメラというジャンルの一つの脅威じゃないでしょうか。iPhoneより安く、コンデジより良さが見えるメリットを訴求できるもの。
そう言う意味ではPENTAXの1年後にボディが3万になる価格作戦なエントリー機種戦略は実は非常に良いところ付いています。ただし初値の設定ミスとその販売する時の人が求める「欲しいモノ」がちゃんとマッチしている必要があり、あれは中身が伴わなく初値が高すぎの欲を出したために初めに買った人のガッカリ感が強くなっただけ、イコール買うのがバカ、だったのかな(笑)何せ1年待たずに同じ予算で2つ買えちゃうわけだし、初めから3万のカメラとわかってれば機能のショボさも理解できた訳だったのかも。

そこからもう少し予算を広げた8〜10万チョイまでだすと、最終値段のX-T10に手が届いたり、中古の明るいレンズ+2年型落ちのNikon/Canonエントリーってな感じで色々良いものが見えてくるんですけど、枠が5万じゃやっぱり厳しい。
でも、そこが一眼カメラの越えるべき枠だったのかもしれません。

不運は、その5万円で見え隠れするカメラの帯域にはセンサーサイズが小さいカメラがあったことです。
Nikon1なら高速連写と高解像度あるからまだイイですが、PENTAX Qなんて今時iPhoneよりかなり下の性能になってしまっててオススメできる代物ではありません。
m4/3も今になってから1〜2年前の型落ちで安くなったものに手を出すのもお薦めは出来ません。

同僚には、iPhoneをまずお勧めし、それでも一眼が良いというならば、まず型落ちの安いので何か手を出して、撮影そのもののスタイルを気に入ってきたら『全取っ替えする』つもりで買った方がいいよ、とお話ししておきました。
結局カメラは「何を撮りたいか」によってどこまでのクラスを買えば良いのか、どんなレンズを買えば良いのかは全部変わってきます。
マツコの番組で「カメラは光が大好き」みたいなことを話している人がいましたが、本当にそう。
全てどれだけの光を集めてコントロールできるかに集約します。周りが暗く環境が歩ければ何かで補わなければ綺麗に撮れません。
クリスマスの頃には値段のこなれたX-A3があると初心者にお薦めしやすくなりますよね。
そういう意味で今出しておくのは重要ですよね。

 * * *

さて、今はミラーレスだのOVFだの、センサーサイズが何だのと、わりと、仲間うちで1対1に近い比較している一眼カメラですが、小さいセンサーの「一眼」はスーパーマンとは成り得ない時代になり共通の外からの脅威に対抗していきつつあるような気がします。久しぶりに長文バージョンな意味、本題はこれからです。

一眼カメラ、その共通の脅威、外からの侵略物体とは、『複眼+デジタル処理』なカメラです。

もしF1.4/F4/F8/F16の4種類、かつ10mm/35mm/56mm/100mmと全部の「眼」を持つスーパーなスマフォが現れた時、どうなりますか。
一般の人は20MPピクセルもあれば十分なわけです。レンズ交換の手間もなく色々切り替えられて、しかもズームレンズ並みに自動切り替えされたら恐ろしいことになります。
単焦点のメリットを持ったままズームしていくのです。高倍率で。
そうなると、一眼同士で争っている場合ではありません。1対1という機種やメーカー対決でもなく、「眼」の質と量の同時勝負となるカメラ対決の世界になります。

PS3とWiiの対決に外野である携帯が乱戦し、いつの間にか携帯が覇者になるこの感じと似た様な時代になるコレは思った以上に早く到来し、後10年も経ったら一眼カメラそのものが時代遅れになりかねません。
そうなると「レンズは資産」という考え方含めて一眼カメラは「古い時代のもの」、として消えるかもしれません。「複眼+マルチカラーフラッシュ調光」。時代の流れはこっちになりそうで恐ろしいです。

って、あれ、これ、なんかに似ていませんか。
そう、我が日本のガラパゴスな物作りの結果。あの、いくつか。いろんなジャンルが消えかかっています。 
気がつくとこの一眼カメラ分野も実はそろそろ危い分野かも?

結局のところは、早く日本のメーカーが気付けるかどうかです。
ハードでいくら頑張ってもダメで、ソフトと一体となった課題対策をどこまでできるか、そういう物作りが必要です。
何も考えずに周りに欲しいプラスαなモノを聴いて、それを今のものに機能で追加、それを新製品として出す、では、もうダメです。

困っているものやシーンを解決する物作りでないと。

私が一眼カメラやってて困るシーン、それは①夜景もバッチリで万能な高倍率なスナップズームがないこと、②遠くを簡単に近くで撮れる800mmクラスの超望遠撮影が換算35mmスナップからすぐに切り替えられないこと。③手元にあるものを超拡大(2〜5倍)して撮れる寄れるAFマクロレンズがXマウントにないこと。④一眼の特徴とはいえ、やはりレンズいくつも持って持ち歩くのが大変なこと。

あぁ、描いてて思ったわ、これ、単焦点の明るいレンズを「複眼」にした電子カメラで解決しちゃいそうだわ・・・。

APS-Cな4眼カメラでXF16mm、XF35mm、XF56mm、XF90mmを同時に使えて全てが単焦点F1.4 クラスの明るさがあって、電子的にズーム処理してしまう「1セットの軽い持ち歩きカメラ」。
こんなんでたら、一眼カメラへの考え方が変わっちゃうよね。

外からの脅威、感じてもらえますか。
もしかしたら、最後の答えは複眼カセットなのかもしれませんよ。