こんにちわ
あと1週間経つとFUJIFILM X-T2の2016年9月8日発売から1年、そして私自身も購入も1年となりますので、今まで書いてこなかったX-T2本体のレビューをしていきます。
まず初めに、X-T10からX-T2にしてカメラライフがどう変化したか。
とてもシンプルな例を出すと、X-T10ハマったカワセミ。この撮影は、まだ飛びものの動きには対応できていないものの、X-T2へシフトしたことで、留まり物は非常にクリアに撮影できるようになりました。 そのカワセミ撮影、今回だけは、ちょっとトリミングして自分の著作的な情報を埋めこんだやつでアップしてみます。
FUJIFILM X-T2 XF100-400mmF4.5-5.6RLMOISWR + 2x sspd:1/30 F11 ISO1000 Velvia COL:+1 AWB DR:100% EV:-1.33 / H-Tn:+1 S-Tn:0 SH:+2 iMac27 trim and retouched
一眼初めて2年程度の人でも、X-T2とレンズと写せるチャンスさえあれば、手持ちでもこれくらい「羽のフサフサ感」を得られちゃいます。
そのフサフサの拡大画像はこんな感じ。
カワセミ可愛いですよね。
キャノンやニコンの100万の大砲レンズを持っている人たちの水しぶき飛び出し写真には及ばないですけど、止まっていてくれればここまでは間違いなくキャッチできちゃうんです。
すごいですよね、手持ちのX-T2(MF/プッシュAF) + XF100-400mm + 2倍テレコンの操作。
神的なファーウウェアアップデートしてくれたお陰でもあります。本当に感謝な出来事でした。
では、今回3回に渡って長文で書いているX-T2のレビュー、そのラストを綴ります。
▷1回目:カスタム設定のメモ
▷2回目:APS-Cのセンサーの得意な処
▶3回目:AFと全体概要
かなり良いところが多いのですが、もちろん、今一歩ダメなところもあります。
ですので、○×にて表現してみました。
総評としてオススメのカメラですよ。
FUJIFILMのX-T2は使って楽しいです。カメラを持つ愉しみ、操作して撮る楽しみ、得た絵を愛でる楽しみがあります。・・・手ぶれ補正がなくても充分に楽しめます。あれば尚嬉しかったですが、腕を磨いて頑張ります!っていう人にはとてもオススメのカメラです。
* * *
ミラーレスですので鏡(レフ)がなく、レンズの情報をダイレクトに24メガピクセルのAPS-Cセンサーが受け止めて映像記録となるカメラです。
EVFと呼ばれる小さな「のぞき窓」の中にも液晶(236万ドット:0.77倍)があり、表示タイムラグが極力抑えられたものを搭載(0.005秒)。通常時60f/s、ブースト時100f/sで高速表示が可能です。
明るさも調整が可能な表示で、見ている景色を記録する状態に極力近い状態の画像として見ることができます。
一眼レフなどでよく起こりがちな「記録すると実際より暗い」「実際と色が違う」という現象が極小に抑えられています。
XF35mmF1.4などの初期に登場したレンズであっても、X-T1より素早くピントが合焦してくれますので総じて素早さが上がります。
像面位相差のエリアは49点から91点(7x13)に拡大され、AF選択範囲はオプションで325点(13x25)まできめ細かく選ぶことが可能となりました。個人的には325点にするより91点の方が信頼度が高いです。
また、特筆すべきなのは「縦持ち」と「横持ち」の2つの方向でX-T2がピントの画面位置をそれぞれ別々で記憶してくれる機能があります。 縦と横とをその場の気分や雰囲気で何度も持ち替え・行き来したとしても、そのたびにピント位置を大きく正す必要がありません。地味に嬉しい機能を搭載しています。
新たなAF頭脳として登場したAF-Cの改善(とカスタム性能)は、手放しの満足感を得られる性能とは言い難い気がしています。
まったく合っていない状態からいきなりAFで合わせようとした際の動きについて、そのAFそのものの性能については確かに以前よりは喰らいつくようになったイメージがありますが、安心して任せられる程に良くなったわけではありませんでした。
このAFについては様々なシーンで甲乙が有るので一概に全て芳しくない、と、表現できませんが、簡単に説明するならばX-T1/T10と比べて良くなっています。
しかし、静止体であっても相変わらず小さな点については後ろに抜けます。
なんと言うか、枝と枝の間を動いている鳥などに「率先して合せたい時に手前の枝ばかり捕える」傾向があるのにも関わらず、「小さな花を取ろうとすると若干後ろにピンが行く」AFの特性があります。この辺は、X-T10のAF-SでもX-T2のAF-Sでも同じです。
後ろまたは常時動かないものを掴みやすい傾向があるため、私のように細かいところに拘る撮り方をしたい人は(AF+MF機能を活かし)ピントリングにて指で微調整・ピーキングによる確認をしていくスタイルに切り替えた方が撮影も楽しくなります。
どうやらAFは面積比率でその面積の大きいものを優先的に掴みに行くようです。動いていたり色が違うものを掴みに行くようなロジックではない気がします。
そのため、AF-Sで鳥さんや小さい華を狙うとイライラします。
ちなみに、そのような対象はFnボタンカスタマイズでワンプッシュのAF-Cを親指操作に近い何処かに事前に割り当てておき、ケースに合わせてAF-SのままAF-Cを使い分けていくようにするとより使いやすくなります。
そこで今度はAF-Cの動作です。
肝心の動体AFについては「良くなった」程度と考えた方が良さそうです。
これは、初回のピントの掴みが以後のピント傾向の全てに左右するからです。
#流しで撮るものも、初回を中央で確実に捉えたものは失敗しにくい
FUJIFILM X-T2 XF50-140mm + TC2X 1/2700s
しかし面積がガイドの1/9枠よりかなり小さいと、対象が近づいてくるものを流し撮ろうにもかなりの確率で最初から外します。
特に動きの素早い対象をホットシューに載せた「照準器」ベースで(EVFもAF枠も見ずに)対象を追いかけると、例えフォーカス優先レリーズにしていても高い確率でピントが外れているケース多いです。もちろん、画面のどこかに映っている前提の話です。
#初回を外すと以後は合焦しにくく、画面全体を占めるチャンスがないとそのまま終わる事が多い
FUJIFILM X-T2 XF50-140mm + TC2X 1/210s
特に325点設定の時が多い気がしていますので、私は91点以外使わなくなりました。
多分、これがX-T2のAFについての最大の弱点で、照準器頼りの「メクラ」の安心感が圧倒的に弱い感じがします。
そのため、必ずEVFを覗くようにし、出来るだけ「フレーミングガイドの中央にターゲットを持ってきてAFを掴ませる」というファーストステップがどうしても必要になります。
その中央で掴んでシャッターを切っていくようにすれば、かなりの確率でAFが外れなくなります。
しかしながら、その過程において、今度はブーストモードになっていない状態のブラックアウト時間が「結構」気になってしまいます。
BOOSTモードではブラックアウト時間が短縮されるので非常に心地良い撮影ができるのですが、その分、通常モードでのブラックアウトが逆に気になってしまいます。
15mくらい離れた程度の距離に位置する対象で、それが時速40kmくらいを超えだすとEVF上のフレームでその先の動きを予測し覗き追いかける行為は「結構難しい」です。
しかし、上下左右方向にあまり動かない対象なら問題ない問題ありません。静止しているカワセミをAF-Sの代わりにワンプッシュするレベルなら、確実に、直ぐに捕えられますし、ユキヒョウレベルの動きなら多少ジャンプしてもすぐ掴んでくれます。サーキットなどのカーブで斜めと前後、上下、全部3軸で動く者の時、初めに喰らい付いたかどうかが重要です。
更に面倒なのは、必要とされるシーンで「像面位相差でのピント合焦させるように心がけるところです」。コントラストAFオンリーの合焦を少なくさせることがポイントです。
そういう意味で進化したAFの恩恵を受けるには像面位相差でピント合焦できるレンズを選びます。
X-T2の進化したAFの恩恵を100%授かるために、XF56mm APDは使わない。特にXF100-400mmの時は2倍テレコンを使わない。等、常時コントラストAFになる状態を出来るだけ避ける必要があります。
最初に対象をど真ん中に近いところ・かつ大きめな面積でピントをまず掴むこと、掴んだらフレームアウトしないように親指AFなどを使いながら画面の中に維持し続けること、これがポイントのようです。
これ、もう、本当に「腕」と「経験」も必要になると思います。にわかで買ってきて直ぐに確実に捕えられるものではありません。というか、これ基礎的なところなので、たぶん、今時の50万円クラスのカメラでも同じじゃないでしょうか。
FUJIFILMのAFは、最初のすっぽ抜け・対象の後ろ側ではなく先端側に合うようになったり、小枝と小枝の間にいる後ろの鳥にイキナリピントが合うようなロジックが追加されてくると、私好みの素晴らしいAFなるのかも知れません(笑)。
まぁ、このAF周りについては、私自身の感覚の域に過ぎないところが多いのでX-T2のレビューにならないかもです。単なる感想ですね。
(参考)
X-T2のセンサーがX-Pro2と『ほぼ同じ』として考えるならば、HomePage等から読み取れる「進化した高速コントラストAFの威力の恩恵を100%受けられる高速なレンズ群はXF16-55mm/ XF50-140mm/ XF100-400mm/ XF90mm/ 最近のWR F2シリーズ(23/35/50)」。
基本的に、絞り(A)はレンズの根元のダイヤルで行い、(S)のシャッタースピードも、ISO感度の調整も上部軍幹部に位置する専用のダイヤルで調整します。
電池のスタミナを維持するために細めに電源をOFFにしている際にはプリントされた印字を目で見て予め調整できますのでとても便利です。
その反面、他のメーカーの一眼レフで良くある「前後のダイヤルで摘まむように」スピードと絞りを調整することに慣れている人には不向きです。
但し、ボタン設定を変えていくことでそのような操作体系に近づけることが出来ます。ですから押し付けられている訳ではありません。
このアナログ的な操作体系は、夕方の薄暗くなり始めの時、または速度を要求するシーンの時に「ISOをあげつつも、3200程度で抑えたい」操作や、「ISOは可変、速度を1/1000sに保ちたい」といった感覚で触ったとき、自動パワーセーブで電源がOFFになったときでも直ぐに確認出来るのが特徴で、ミラーレスの電池喰いと相性が非常に良いです。電池が減らない一眼レフ同様に肩液晶にしていたら、大きく見やすい液晶のために軍幹部は広くなり、結果本体サイズも大きくなり、電池も無駄に消費していくことになります。つまり、根本が違うミラーレスのための秀逸なデザインだと思われます。
特に絞り環(R)は、右回しの行き止まりはオート、左の行き止まりは完全開放と覚えることで、数値を逐一見なくても簡単に操作できます。後はEVFを見ながらボケ加減を調整すれば良いだけなので非常にミラーレスのEVFと相性が良いのが特徴です。
これらの操作体系は『プログラムAEを中心とした使い方』をする人には大変喜ばれる操作体系でしょう。
逆に P/A/S/Mモードに慣れている人は、前面のAF-S/AF-C/MFのスイッチにすら気がつかず、困惑します。P/A/S/Mの「M」(マニュアル)にするにも、あれれ、どこ?となります。
また、PENTAXの機種によくあるプログラムモードにおけるガイドラインへの吸着機能(ハイパーダイヤルにおけるグリーンボタン)は備えていませんので、半自動が好きな人にも向いていません。
一眼レフではなく、ミラーレスカメラのために徹底的に考え抜いた秀逸なデザインです。
2つのうち1つは、「デザインの良さ」です。X-T1/2やX-Pro2、X-Eシリーズは非常にデザインが秀逸で、持っていて美しいのが特徴です。
もちろん、触っていても頼もしい(独立ダイヤル)。笑われるかもしれませんが 「このカメラを持っている自分が美しい」、そんな錯覚にとらわれそうなぐらい、形の作りが良いと感じます。
カメラおたく、カメラおじさんのようなカメラのデザインでは無く、革ジャンスタイルの外人が持っていて憧れる、フォーマルなドレスの淑女が持っていて絵になる、そんな形のデザインです。 これが素晴らしい点の1つ。
もう一つの特徴は「撮って出し写真が美しい」点です。
後加工は必要ありません。 このカメラは基本として、しっかりとした過去の絵作りの裏付けを基にした「現実のフイルムが持っていた写真らしさ」を表現する画像エンジンを備えています。
この点で、私がXシリーズのカメラに来る前にハマっていたPENTAX Qと少し似ていると感じています。後ではなく現場の印象や雰囲気を大切にして「色を決める」スタイルを楽しむ人に非常に向いています。
それはミラーレスの最大の利点を活かした撮り方です。時としてその絵は忠実な色の再現ではないため「印象派の絵」に近い場合もあります。こんなに緑が鮮やかではないよ、こんなに青がくすんでいないよ、そういう時もあります。それはコンデジ時代の昔からFUJIFILMのデジカメの特徴です(笑)。
プリントした時に映えるような色使いが多い味付けです。でも、重要なのは「私」「あなた」、今そこにあるものを目で見た「その色」は、「皆違う」ということです。ましてや思いだした記憶との比較なら尚更です。極端に言うとRAW現像で弄った『加工した青』も、肉眼で受け止めた「青」も、ともに同じように「人それぞれで違う青」です。
皆が「良い色」と感じる平均的な色に近づけてくれる、その調整バランスがとても良い撮って出し、つまり後で色に関する加工をほぼ必要としない絵を出力してくれる、それがFUJIFILMのXシリーズの「撮ってだしJPEG」の色です。
それはカラーだけではなく、モノクロームに対しても同じです。 更にX-T2では、粒子状の効果を与える「ACROSフィルター」と、それをカラーにも適用できる「グレインエフェクト」を備えました。これについては「 過去のグレインエフェクトの記事」でも触れていますが、ISO6400以上の高画素に現れるノイズをうまくゴマかしてくれる機能でもあります。
Retinaディスプレイなどの近年の高解像度ディスプレイで見る際に非常に美しく透明感のある絵を醸し出してくれる優れものです(古い液晶画面で見るとノイズだらけなので旧世代の環境には不向き)。
特に高速なUHS-IIのカードの読み書きができますので、連写時のバッファが気にならないほど長い連写が可能となります。
撮影は、時として11コマ・秒を実現するCHモードより、CLモードとカードの速度を活かした無限連写にした方が使いやすいです。それほどUHS-IIのSDカード対応はとても素晴らしいです。
ただし、長秒の、連写を何度も行なって、それこそ100枚以上を記録したりすると、その記録ファイルを後から目で見て取捨選択する時間が付きまといます。その辛さは予め覚悟する必要があります(笑)
【X-T2総評】1年使ってイイと思うところ
総評: 気になるところはあるけれど、とても素晴らしいカメラです
◎ 価格さえ許せるのならば、是非ともオススメしたいカメラです。
X-T2を買って幸せになれるかどうかは、下記3点で評価できます。
長文に付き合って頂き、誠に有難うございます。
▷2回目:APS-Cのセンサーの得意な処
▷1回目:カスタム設定のメモ
▷初夏の大アップデート
▷MF時の使いにくさ(改善済)
▷スティックのUIがイマイチ
▷UHS-II 256GBと互換電池
▷露出設定の暴れ(改善済)
▷連写・事始め
▷購入初回の雑感
▷オリンパスの照準器の記事
(おまけ)
⇒ 私が過去に使ってきたカメラ達
あと1週間経つとFUJIFILM X-T2の2016年9月8日発売から1年、そして私自身も購入も1年となりますので、今まで書いてこなかったX-T2本体のレビューをしていきます。
まず初めに、X-T10からX-T2にしてカメラライフがどう変化したか。
とてもシンプルな例を出すと、X-T10ハマったカワセミ。この撮影は、まだ飛びものの動きには対応できていないものの、X-T2へシフトしたことで、留まり物は非常にクリアに撮影できるようになりました。 そのカワセミ撮影、今回だけは、ちょっとトリミングして自分の著作的な情報を埋めこんだやつでアップしてみます。
FUJIFILM X-T2 XF100-400mmF4.5-5.6RLMOISWR + 2x sspd:1/30 F11 ISO1000 Velvia COL:+1 AWB DR:100% EV:-1.33 / H-Tn:+1 S-Tn:0 SH:+2 iMac27 trim and retouched
一眼初めて2年程度の人でも、X-T2とレンズと写せるチャンスさえあれば、手持ちでもこれくらい「羽のフサフサ感」を得られちゃいます。
そのフサフサの拡大画像はこんな感じ。
カワセミ可愛いですよね。
キャノンやニコンの100万の大砲レンズを持っている人たちの水しぶき飛び出し写真には及ばないですけど、止まっていてくれればここまでは間違いなくキャッチできちゃうんです。
すごいですよね、手持ちのX-T2(MF/プッシュAF) + XF100-400mm + 2倍テレコンの操作。
神的なファーウウェアアップデートしてくれたお陰でもあります。本当に感謝な出来事でした。
では、今回3回に渡って長文で書いているX-T2のレビュー、そのラストを綴ります。
▷1回目:カスタム設定のメモ
▷2回目:APS-Cのセンサーの得意な処
▶3回目:AFと全体概要
かなり良いところが多いのですが、もちろん、今一歩ダメなところもあります。
ですので、○×にて表現してみました。
総評としてオススメのカメラですよ。
FUJIFILMのX-T2は使って楽しいです。カメラを持つ愉しみ、操作して撮る楽しみ、得た絵を愛でる楽しみがあります。・・・手ぶれ補正がなくても充分に楽しめます。あれば尚嬉しかったですが、腕を磨いて頑張ります!っていう人にはとてもオススメのカメラです。
* * *
【X-T2】概要
- FUJIFILMのミラーレス一眼
- 24MピクセルのAPS-Cセンサー(2430万画素 X-Trans CMOS III エンジンはX-Processor Pro)
- 高速な連写機能・高速なAF処理
- 速度・ISO・絞りを直感的に調整可能にする独立ダイヤル
- 現実の様々なフィルムの色合いを再現するフィルムシミュレーション機能
- 粒子状表現「ACROS」及びグレイン・エフェクト
- 最大7つのカスタムセット登録呼び出し機能
- 3方向チルト対応の背面液晶(縦位置での上方向チルト)
- FUJIFILMのミラーレスで共通のバッテリー
- フィルムシミュレーションも使える4K動画の録画に対応
- UHS-II対応のデュアルSDカードスロット
- 縦持可能なバッテリーグリップ(オプション)にてブーストモードを備える(連写性能の向上、撮影間隔、シャッタータイムラグ、ブラックアウト時間が短縮、4K録画が10分から30分まで拡大)
同等品比較
Nikon D7200 | 675g | 7コマ/s | 最速1/8000s | 9万円前後 | 24MP
APS-C |
CANON EOS 80D | 650g | 7コマ/s | 最速1/8000s | 9万円前後 | 24MP
APS-C |
SONY α77 II | 647g | 12コマ/s | 最速1/8000s | 11万円前後 | 24MP
APS-C |
FUJIFILM X-T2 | 457g | 8コマ/s
Bst時11/s |
最速1/8000s | 14万円前後 | 24MP
APS-C |
PENTAX K-3II | 700g | 8.3コマ/s | 最速1/8000s | 9万円前後 | 24MP
APS-C |
PENTAX KP | 643g | 7コマ/s | 最速1/6000s | 10万円前後 | 24MP
APS-C |
■ミラーレスの利点
ミラーレスですので鏡(レフ)がなく、レンズの情報をダイレクトに24メガピクセルのAPS-Cセンサーが受け止めて映像記録となるカメラです。
EVFと呼ばれる小さな「のぞき窓」の中にも液晶(236万ドット:0.77倍)があり、表示タイムラグが極力抑えられたものを搭載(0.005秒)。通常時60f/s、ブースト時100f/sで高速表示が可能です。
明るさも調整が可能な表示で、見ている景色を記録する状態に極力近い状態の画像として見ることができます。
一眼レフなどでよく起こりがちな「記録すると実際より暗い」「実際と色が違う」という現象が極小に抑えられています。
○ | とにかく軽い、なのに持ちやすい |
○ | 解像度が増えたことによりトリミング耐性に強くなり綺麗さが維持されています |
○ | アイポイント23mmのEVFは広く映し出されて綺麗です。見にくいことがありません(私はメガネ常時の人) |
△ | 但し16MPのセンサーのX-T10と比べ、若干ですが輝度が不足気味です |
■ピントの合わせやすさはどうか
高速なレンズとの組み合わせで素早いAF処理が可能です。赤バッジレンズやXF35mmF2などのF2シリーズ等最新のレンズを組み合わせることにより、従来のX-T1よりも高速なピントの合焦が可能となります。XF35mmF1.4などの初期に登場したレンズであっても、X-T1より素早くピントが合焦してくれますので総じて素早さが上がります。
像面位相差のエリアは49点から91点(7x13)に拡大され、AF選択範囲はオプションで325点(13x25)まできめ細かく選ぶことが可能となりました。個人的には325点にするより91点の方が信頼度が高いです。
また、特筆すべきなのは「縦持ち」と「横持ち」の2つの方向でX-T2がピントの画面位置をそれぞれ別々で記憶してくれる機能があります。 縦と横とをその場の気分や雰囲気で何度も持ち替え・行き来したとしても、そのたびにピント位置を大きく正す必要がありません。地味に嬉しい機能を搭載しています。
新たなAF頭脳として登場したAF-Cの改善(とカスタム性能)は、手放しの満足感を得られる性能とは言い難い気がしています。
まったく合っていない状態からいきなりAFで合わせようとした際の動きについて、そのAFそのものの性能については確かに以前よりは喰らいつくようになったイメージがありますが、安心して任せられる程に良くなったわけではありませんでした。
このAFについては様々なシーンで甲乙が有るので一概に全て芳しくない、と、表現できませんが、簡単に説明するならばX-T1/T10と比べて良くなっています。
しかし、静止体であっても相変わらず小さな点については後ろに抜けます。
なんと言うか、枝と枝の間を動いている鳥などに「率先して合せたい時に手前の枝ばかり捕える」傾向があるのにも関わらず、「小さな花を取ろうとすると若干後ろにピンが行く」AFの特性があります。この辺は、X-T10のAF-SでもX-T2のAF-Sでも同じです。
後ろまたは常時動かないものを掴みやすい傾向があるため、私のように細かいところに拘る撮り方をしたい人は(AF+MF機能を活かし)ピントリングにて指で微調整・ピーキングによる確認をしていくスタイルに切り替えた方が撮影も楽しくなります。
どうやらAFは面積比率でその面積の大きいものを優先的に掴みに行くようです。動いていたり色が違うものを掴みに行くようなロジックではない気がします。
そのため、AF-Sで鳥さんや小さい華を狙うとイライラします。
ちなみに、そのような対象はFnボタンカスタマイズでワンプッシュのAF-Cを親指操作に近い何処かに事前に割り当てておき、ケースに合わせてAF-SのままAF-Cを使い分けていくようにするとより使いやすくなります。
そこで今度はAF-Cの動作です。
肝心の動体AFについては「良くなった」程度と考えた方が良さそうです。
これは、初回のピントの掴みが以後のピント傾向の全てに左右するからです。
FUJIFILM X-T2 XF50-140mm + TC2X 1/2700s
しかし面積がガイドの1/9枠よりかなり小さいと、対象が近づいてくるものを流し撮ろうにもかなりの確率で最初から外します。
特に動きの素早い対象をホットシューに載せた「照準器」ベースで(EVFもAF枠も見ずに)対象を追いかけると、例えフォーカス優先レリーズにしていても高い確率でピントが外れているケース多いです。もちろん、画面のどこかに映っている前提の話です。
FUJIFILM X-T2 XF50-140mm + TC2X 1/210s
特に325点設定の時が多い気がしていますので、私は91点以外使わなくなりました。
多分、これがX-T2のAFについての最大の弱点で、照準器頼りの「メクラ」の安心感が圧倒的に弱い感じがします。
そのため、必ずEVFを覗くようにし、出来るだけ「フレーミングガイドの中央にターゲットを持ってきてAFを掴ませる」というファーストステップがどうしても必要になります。
その中央で掴んでシャッターを切っていくようにすれば、かなりの確率でAFが外れなくなります。
しかしながら、その過程において、今度はブーストモードになっていない状態のブラックアウト時間が「結構」気になってしまいます。
BOOSTモードではブラックアウト時間が短縮されるので非常に心地良い撮影ができるのですが、その分、通常モードでのブラックアウトが逆に気になってしまいます。
15mくらい離れた程度の距離に位置する対象で、それが時速40kmくらいを超えだすとEVF上のフレームでその先の動きを予測し覗き追いかける行為は「結構難しい」です。
しかし、上下左右方向にあまり動かない対象なら問題ない問題ありません。静止しているカワセミをAF-Sの代わりにワンプッシュするレベルなら、確実に、直ぐに捕えられますし、ユキヒョウレベルの動きなら多少ジャンプしてもすぐ掴んでくれます。サーキットなどのカーブで斜めと前後、上下、全部3軸で動く者の時、初めに喰らい付いたかどうかが重要です。
更に面倒なのは、必要とされるシーンで「像面位相差でのピント合焦させるように心がけるところです」。コントラストAFオンリーの合焦を少なくさせることがポイントです。
そういう意味で進化したAFの恩恵を受けるには像面位相差でピント合焦できるレンズを選びます。
X-T2の進化したAFの恩恵を100%授かるために、XF56mm APDは使わない。特にXF100-400mmの時は2倍テレコンを使わない。等、常時コントラストAFになる状態を出来るだけ避ける必要があります。
最初に対象をど真ん中に近いところ・かつ大きめな面積でピントをまず掴むこと、掴んだらフレームアウトしないように親指AFなどを使いながら画面の中に維持し続けること、これがポイントのようです。
これ、もう、本当に「腕」と「経験」も必要になると思います。にわかで買ってきて直ぐに確実に捕えられるものではありません。というか、これ基礎的なところなので、たぶん、今時の50万円クラスのカメラでも同じじゃないでしょうか。
FUJIFILMのAFは、最初のすっぽ抜け・対象の後ろ側ではなく先端側に合うようになったり、小枝と小枝の間にいる後ろの鳥にイキナリピントが合うようなロジックが追加されてくると、私好みの素晴らしいAFなるのかも知れません(笑)。
まぁ、このAF周りについては、私自身の感覚の域に過ぎないところが多いのでX-T2のレビューにならないかもです。単なる感想ですね。
○ | 多くのレンズでX-T10よりAF合焦が早くなったことを実感できます |
○ | ジョイスティックのようなフォーカスレバーにより直感的にフォーカス移動が可能になりました。細かいエリア指定が可能になった点が良いです。が、タッチ操作の方が良いと感じるときもあります |
△ | 特に動画中でのAF移動や素早い場所移動には、フォーカスレバー(ジョイスティック)は向いていません |
○ | MF時に画面を2分割し、片方を拡大、もう片方を全体とする便利な画面表示モードがあります。この左右を任意に入れ替えられるのがとても良くMF操作が捗ります(⇒Fn割り当てまで出来るともっと良い) |
○ | 縦持ち横持ちを頻繁に切り替えるとき、ピント位置記憶機能はとても素晴らしく実用的です |
○ | 縦持ち時の自在な閲覧を可能とする3方向チルトはアングルの自由度が上がります。但し3脚によってはレバーを向こう側にして取り付けなければいけないので一方向の開きは万能ではありません。 |
× | MF時にピントの任意倍率への拡大操作ができません。フォーカスチェック機能をボタン割り当てしても、AF-SとMFで挙動が違ってしまっています。惜しい。 |
(参考)
X-T2のセンサーがX-Pro2と『ほぼ同じ』として考えるならば、HomePage等から読み取れる「進化した高速コントラストAFの威力の恩恵を100%受けられる高速なレンズ群はXF16-55mm/ XF50-140mm/ XF100-400mm/ XF90mm/ 最近のWR F2シリーズ(23/35/50)」。
■操作感とデザイン
直感的な操作ダイヤルは、FUJIFILM独特の操作方法です。実はこれ、これほど使っていて楽しく気持ちの良い操作体系は他のメーカーには見受けられない独特なものです。基本的に、絞り(A)はレンズの根元のダイヤルで行い、(S)のシャッタースピードも、ISO感度の調整も上部軍幹部に位置する専用のダイヤルで調整します。
電池のスタミナを維持するために細めに電源をOFFにしている際にはプリントされた印字を目で見て予め調整できますのでとても便利です。
その反面、他のメーカーの一眼レフで良くある「前後のダイヤルで摘まむように」スピードと絞りを調整することに慣れている人には不向きです。
但し、ボタン設定を変えていくことでそのような操作体系に近づけることが出来ます。ですから押し付けられている訳ではありません。
このアナログ的な操作体系は、夕方の薄暗くなり始めの時、または速度を要求するシーンの時に「ISOをあげつつも、3200程度で抑えたい」操作や、「ISOは可変、速度を1/1000sに保ちたい」といった感覚で触ったとき、自動パワーセーブで電源がOFFになったときでも直ぐに確認出来るのが特徴で、ミラーレスの電池喰いと相性が非常に良いです。電池が減らない一眼レフ同様に肩液晶にしていたら、大きく見やすい液晶のために軍幹部は広くなり、結果本体サイズも大きくなり、電池も無駄に消費していくことになります。つまり、根本が違うミラーレスのための秀逸なデザインだと思われます。
特に絞り環(R)は、右回しの行き止まりはオート、左の行き止まりは完全開放と覚えることで、数値を逐一見なくても簡単に操作できます。後はEVFを見ながらボケ加減を調整すれば良いだけなので非常にミラーレスのEVFと相性が良いのが特徴です。
これらの操作体系は『プログラムAEを中心とした使い方』をする人には大変喜ばれる操作体系でしょう。
逆に P/A/S/Mモードに慣れている人は、前面のAF-S/AF-C/MFのスイッチにすら気がつかず、困惑します。P/A/S/Mの「M」(マニュアル)にするにも、あれれ、どこ?となります。
また、PENTAXの機種によくあるプログラムモードにおけるガイドラインへの吸着機能(ハイパーダイヤルにおけるグリーンボタン)は備えていませんので、半自動が好きな人にも向いていません。
一眼レフではなく、ミラーレスカメラのために徹底的に考え抜いた秀逸なデザインです。
○ | 直感的に操作できるダイヤル、それら物理的な制御を含めた全体デザインが素晴らしい |
○ | ダイヤルの中央ボタンでロックする機能はとても解りやすくて良い |
△ | ハード面が良いのだが、ソフト面、特にメニュー体系が整理しきれていない |
× | マイメニューにすべての動作が持ってこれない点、メニューとして表に出すべきアイテムは再整理が必要なほど雑然としている。今のカテゴリから「ピント(AF/深度/MF)」「色や画像加工」「記録・初期設定」「ストロボ・オプション」の4カテゴリ程度に再整理すべきだと思う。 |
× | 被写界深度確認やISOまたはシャッター速度の不足による光量不足エラーが、記録するか確認ボタンを押すまで確認できないのは如何なものか。ミラーレスなのにシャッターを切るまで「真っ暗になる」ことが判らないことがたまにある(警告が判りにくい) |
■絵作り・色のバリエーション
FUJIFILMのカメラの特徴は、操作体系だけでは無く、他にも良い特徴が2つ存在します。2つのうち1つは、「デザインの良さ」です。X-T1/2やX-Pro2、X-Eシリーズは非常にデザインが秀逸で、持っていて美しいのが特徴です。
もちろん、触っていても頼もしい(独立ダイヤル)。笑われるかもしれませんが 「このカメラを持っている自分が美しい」、そんな錯覚にとらわれそうなぐらい、形の作りが良いと感じます。
カメラおたく、カメラおじさんのようなカメラのデザインでは無く、革ジャンスタイルの外人が持っていて憧れる、フォーマルなドレスの淑女が持っていて絵になる、そんな形のデザインです。 これが素晴らしい点の1つ。
もう一つの特徴は「撮って出し写真が美しい」点です。
後加工は必要ありません。 このカメラは基本として、しっかりとした過去の絵作りの裏付けを基にした「現実のフイルムが持っていた写真らしさ」を表現する画像エンジンを備えています。
この点で、私がXシリーズのカメラに来る前にハマっていたPENTAX Qと少し似ていると感じています。後ではなく現場の印象や雰囲気を大切にして「色を決める」スタイルを楽しむ人に非常に向いています。
それはミラーレスの最大の利点を活かした撮り方です。時としてその絵は忠実な色の再現ではないため「印象派の絵」に近い場合もあります。こんなに緑が鮮やかではないよ、こんなに青がくすんでいないよ、そういう時もあります。それはコンデジ時代の昔からFUJIFILMのデジカメの特徴です(笑)。
プリントした時に映えるような色使いが多い味付けです。でも、重要なのは「私」「あなた」、今そこにあるものを目で見た「その色」は、「皆違う」ということです。ましてや思いだした記憶との比較なら尚更です。極端に言うとRAW現像で弄った『加工した青』も、肉眼で受け止めた「青」も、ともに同じように「人それぞれで違う青」です。
皆が「良い色」と感じる平均的な色に近づけてくれる、その調整バランスがとても良い撮って出し、つまり後で色に関する加工をほぼ必要としない絵を出力してくれる、それがFUJIFILMのXシリーズの「撮ってだしJPEG」の色です。
それはカラーだけではなく、モノクロームに対しても同じです。 更にX-T2では、粒子状の効果を与える「ACROSフィルター」と、それをカラーにも適用できる「グレインエフェクト」を備えました。これについては「 過去のグレインエフェクトの記事」でも触れていますが、ISO6400以上の高画素に現れるノイズをうまくゴマかしてくれる機能でもあります。
Retinaディスプレイなどの近年の高解像度ディスプレイで見る際に非常に美しく透明感のある絵を醸し出してくれる優れものです(古い液晶画面で見るとノイズだらけなので旧世代の環境には不向き)。
○ | 多彩なフイルムシミュレーションはとても素晴らしく、多くのシーンでRAW現像等の後工程の色調整が必要がありません |
○ | ミニチュアやトイカメラなど実用的な写真加工フィルタも綺麗です。ミラーレスですから、その綺麗さが撮る際に見てとれます |
○ | シャドウやハイライトの数値の事前調整幅は2から4まで設定可能となり、より変更出来る設定域が広がりました(前回のカスタム設定記事参照) |
○ | ユーザーの声を反映し、カスタムセットの名称登録が出来る機能を備えました |
△ | 但し、アドバンストフィルターにはシャドウやハイライト、その他色の調整を加えることができません。セピア調のミニチュアや、白くフェードアウトするトイカメラが作れません |
△ | カスタムセットをSDカードに対して読み書きさせることができないため、ユーザー同士での情報共有がしにくい上に7つの壁を越えられません(本来夏や冬などシーズンでセットを変えていきたい) |
× | 星空等を深度合成する機能がなく、長時間ノイズ低減機能の容易なON/OFF機構(Fn登録等)も備えていないため、人や空を交互に撮る時などに準備に手間取ったり、星空や夜景・花火の「画一的な撮り方」における簡便なパターンがありません。良くも悪くも自分なりの試行錯誤が必要なカメラです |
■記録・オプション周り
その他、SDカード面を踏まえた記録面はかなり充実しています。特に高速なUHS-IIのカードの読み書きができますので、連写時のバッファが気にならないほど長い連写が可能となります。
撮影は、時として11コマ・秒を実現するCHモードより、CLモードとカードの速度を活かした無限連写にした方が使いやすいです。それほどUHS-IIのSDカード対応はとても素晴らしいです。
ただし、長秒の、連写を何度も行なって、それこそ100枚以上を記録したりすると、その記録ファイルを後から目で見て取捨選択する時間が付きまといます。その辛さは予め覚悟する必要があります(笑)
○ | UHS-IIに対応したデュアルSDスロット、及びフイルムシミュレーションを活かせる4K録画は大変素晴らしい |
○ | 既存のバッテリに共通を持たせ、かつ必要な人はオプションで対応という姿勢のブースト機能は軽量と機能の両立を狙う際にとても良い案 |
× | ボディに手ぶれ補正機能が無いため、手ぶれ補正機能がついていない単焦点レンズ及び他社レンズのマウントアダプター経由の記録でブレ写真を大量に作ることになる(夕方や室内、望遠の最中など) |
× | かつ純正でビデオ向けスタビライザーなどの良心的な価格の手振れ防止オプションのアクセサリが備えられていないため、手ブレが酷くなり、結果4Kの録画機能を活かしきれていない |
× | パワーズームなど、スムーズに拡大縮小を行えるレンズがないため、スムーズなパン操作ができない。2点のフォーカスポイント指示(タッチ操作)を指定できないので、「ココからココへ」といったビデオで良くあるフォーカス移動の録画をしにくい |
× | バッテリーグリップを付けたとしても、BOOSTをさせると極端に電池の持ちが悪い。ほか、動画撮影を中心にするにも電池を10個くらい持った方がいい |
× | スマフォのカメラアプリが遅く、使いにくい。カメラからスマフォを操作する側は使い物にならず、常にスマフォ側からカメラの中身を取得する使い方でしか利便性を得られない。 また、リモート撮影では連写やインターバル撮影が出来ない |
【X-T2総評】1年使ってイイと思うところ
- 幅広い調整が可能な絵作り(フィルムシミュレーション+シャドー/ハイライト調整)
- 使いやすく触る楽しみを覚える独立ダイヤル
- 数うちゃ当たる?高速な連写機能とUHS-IIのカードの威力
- とても使いやすくなったMF+ワンプッシュAF-C+ピーキング画面
- 広角から超望遠、そして今度登場する手振れ補正付マクロまで揃うXFレンズ群はいいタイミングで揃ってきた
- ユーザー思い?な神アップデート対応
(カスタムに名前付けたい→対応済)
(MFの大小画面を入れ替えたい→対応済)など - 動画は綺麗で美しいが便利に使うにはやっぱり手振れ補正やらフォーカス周りやらの基礎的な機能が不足
総評: 気になるところはあるけれど、とても素晴らしいカメラです
◎ 価格さえ許せるのならば、是非ともオススメしたいカメラです。
- 初期段階で「黄色い液晶」、最近では逆光撮影のしすぎで「センサー焼け」が話題となっていますが、ダメと感じたら初期不良交換が可能な期間にすぐにメーカー相談しましょう。
納得のいかない黄色い液晶なら今は工場で調整してくれます。
また、そもそもレフが無い分、極端に逆光を取り入れる太陽に向けての撮影は、使う側もリスクを考慮すべきです。虫眼鏡で火を起こすのと同じことをやっています。
赤信号を渡ったら事故になるかもしれないのに、渡っておいて今回たまたま事故が起きたのはソコにある信号機が問題、と言っているようなものです。 - 他、ソフト面の色々な問題はアップデートによってかなり改善してくれました。顔認識による色の不調も直りましたし、使い勝手の多くも1年で改善されました。購入時とは、かなり違っています。
X-T2を買って幸せになれるかどうかは、下記3点で評価できます。
- 望遠域も標準域も明るいレンズを使う際に、本体に手振れ補正機能が無いためスロー撮影が出来ない。また、他社のレンズを使う場合にも本体に手ぶれ補正機能が備わっていないため、ブレ写真を量産してしまう。撮影枚数でカバーする作戦で多少補えるが、それでも良いかどうかが分岐点。
- マイメニュやQメニューなどの短縮系メニュー、Fnボタンにもっと登録できる機能を増やせなければいけないが、思ったより設定できるものが少ない。例えばマイメニューまたはQメニューならば「MF時2画面切替の入替」「半押しAFのON/OFF」、「シャッター音などのON/OFF」など。自分流に徹底的にカスタマイズできなければダメ、という人にも向かない
Fnボタンや短縮系メニューには長時間ノイズ低減のON/OFF、顔検出ON/OFFトグル、フォーカス点数切替91⇄325、等、もっと登録したいものが沢山ある。 - 挙動の統一性やメニュー構成のところどころ出てくるチグハグ感があるため微妙に親切でない。こう言うものだと多少なりに割り切れる人でないとダメ。また、裏技的なボタン操作など誤動作の元なので要らない、という人にも向かない。
例えば「フォーカスチェック」というFnキーに割り当てられる機能が、AF-Sでは画面の拡大と縮小で異なる(MF時には反応なしで長押しすると「スプリットやピーキング」などの切り替えが行われる)、など。
AF周りのメニューは半押しAFのON/OFFはどこにあったっけか?といまだに何度か探す羽目になっているし、カードのフォーマット操作を行うまでのステップが多い、等(そのショートカットキー操作も何だか微妙)。
私のX-T2における撮影スタイル
▽スナップのときどうしてる?- レンズは XF16/23/27/35/56mm。行く場所でチョイスし2本程度持ち歩き
- 半押しAFをONにし、ほとんど半押しAF-S中心
- ホットシューにはストロボかただの飾り
- フイルムシミュレーションの切替とSTn/Htnの切替
- シーン別にホワイトバランスを組み合わせる
- レンズは XF100-400mm+テレコンか、XF50-140mmに2倍テレコン、他MFレンズ
- MFモードで半押しAFをOFFにしワンプッシュAF-C中心
- ホットシューにはオリンパスの照準器
- ASTIA COL+1かベルビア。
- ホワイトバランスはオート
- レンズは XF16mmか XF10-24mm、時としてXF18-135mm
- MFモードでレリーズ装置をUSB接続、またはタイマー2秒
- ホットシューには外部モニタか何もなし
- ASTIA COL+1が好き
- ホワイトバランスはオートか少し青か紫を入れる
- レンズはXF18-135の1本か、XF18-55またはXF10-24のどちらかとXF50-140mm。自然か街中か、移動が車か電車かによる
- ワンプッシュAF-C中心で、半押しAFをONにして景色の時に半押しAF-S
- ホットシューにはストロボ
- 色は気分
- ホワイトバランスはシーンで様々(涼しさ演出なら青系など)
【X-T2】最後に再度整理。まだまだリクエスト! こうあったらな?って思うところ
■次機種以降やオプション品へのリクエスト
- やはり本体に手振れ補正機能が欲しい
- 水準器の精度をもう一段あげる何かが欲しい。緑でも僅かに傾いています(自動補正や別方向など)
- BlueTooth+WiFiでGPS自動転送、写真転送の高速化と接続が切れにくい何かの対策が欲しい、位置情報伝達時に転送終わると接続が切れるのも使いにくい
■アップデートでなんとか、是非
- MF画面で大きい画面を更に拡大したい(フォーカスチェック拡大をMFにも導入し4倍くらいまで可能へ)
- MF時に静止画を撮影する際の外部モニタ出力を4K画像とまでは言わないがもう少し精彩な解像度にして欲しい(液晶画面表示の内容そのまま相似倍なのでドットが荒い)
- カスタム登録の増加と更にSDカードへの読み書きで季節やシーンによって変えたい
- COL+1ではなく、BLUEのみ+1、GREENのみ-1をしたい(ホワイトバランスとは別に)
- 連写+多重露出(またはインターバル時間指定+多重露出)が欲しい
- iPadの大きな全体画面をモニタ代わりにして微妙なフォーカス操作やタッチAF、更には連写やインターバル撮影の指示をしたい(カメラアプリのモニタ枠が小さいのも嫌)
- アドバンストフィルタは複数色抽出やグレインエフェクトのON/OFF、COL/S-Tn/H-Tnやホワイトバランスの調整などを加味できる調整がしたい&カスタムで保存したい
- ちょっと違うけど、ニコンFマウントのレンズを手振れ補正ONで、かつAF機能ありで使いたい(笑)
- これもカメラ本体の話と少し違うけど、高倍率で軽量なズームレンズが1本欲しい(夢は16-600mm)、それ程常に使いたいカメラ何です
■ 意外に気が付かない機能
こう言うのはUIの仕様ミスだと思うところで、マイメニューなんかに登録もできるべきだと思うのですが、知らない人も結構いるようですね。- SDカードスロットの順次切替は再生ボタンの長押しでも行えます
- フォーマットの呼び出しはゴミ箱ボタンを長押ししながらリアダイヤルの同時押込で呼び出せますが、うまく反応してくれる時としてくれない時があります
- Fnボタンに登録できるボタンを選択する際には2ページ目があってリアダイヤルの押下にも機能を割り当てられます
長文に付き合って頂き、誠に有難うございます。
過去のX-T2レビュー記事
▶3回目:AFと全体概要▷2回目:APS-Cのセンサーの得意な処
▷1回目:カスタム設定のメモ
▷初夏の大アップデート
▷MF時の使いにくさ(改善済)
▷スティックのUIがイマイチ
▷UHS-II 256GBと互換電池
▷露出設定の暴れ(改善済)
▷連写・事始め
▷購入初回の雑感
▷オリンパスの照準器の記事
(おまけ)
⇒ 私が過去に使ってきたカメラ達
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