こんにちわ

本日は XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS を試してみましたので、そのお話をしたいと思います。
このレンズの仕様は下記。
    ・レンズ構成 10群14枚
    ・最小絞り F22
    ・羽根枚数 7枚
    ・撮影距離範囲 110cm
    ・最大撮影倍率 0.18倍(テレ端)
    ・重さ 580g
    ・フィルター径 62mm
実は、タイミング的につい先日にSONYから「APS-C用の70-350mm F4.5-6.3 G」というレンズが625gで出てしまったばかりの頃合いです。

もちろん、SONYのレンズはXマウントではありませんのでアダプターをかますことすらできないライバルカメラ、α6000番台シリーズのカメラ本体も必要となりますが、あっちは手ブレ補正も付いてるし、で、SONYは非常に巧い焦点距離とカメラ戦略で、FUJIFILMの泣き所を突いています。

さて、改めてこのレンズの話に戻すと、個人的にはXC50-230mmとXF100-400mmを持っていますので、このXF55-200mmと言うのは新たに買いにくい範囲にいるレンズです。

安価なXCより短い範囲は目の前から少し遠目の範囲で使うくらいだし、XF50-140mmにテレコンでもイイようなもの。

強いて言えば値段が買いやすいのと重さでXF50-140mmやXF100-400mmで有利かな、と言うところが大きなメリットでして、XC50-230mmに比べて解像感が高くて逆光耐性があってAFスピードが少し早い。

そんな特徴のレンズですから、本当は持っていた方がイイかも?
と、消費税アップ前に気になってきたので、その実力を試してみたくなったのはいうまでもありません。

と、言う事で、焦点距離的にはちょうど中望遠域が活きてくる浅草のサンバカーニバルに向いてるじゃないですか!

という閃きがありましたので、丸の内に行ってレンズを借りて試してまいりました。
なにせ、怪我は完治しておらず、未だXF100-400mmを取り付けて混雑の中を持ち出して歩いたり数時間も立ちんぼで撮り続けるのは怖い状態です。

ということで、X-T3とテレコンつき50-140mmないしは100-400mmよりも軽い環境となった、X-T30と55-200mmの組み合わせで、浅草駅を出たあたり、混雑の中で撮影開始です。

さてさて、程なく待つと、本行進の前のブラバン行進がやってきました。
ですので今日のベスト的なスピード探りや距離感などをチェックし始めます。

X30T2257
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/500 F5.0 ISO160 OriginalSet: Galaxy Black  resized by iMac

にしても、本行進が始まるまでが長い長い。50分くらいは前座だったり待ちぼうけです。
最前列の人は椅子持ってきて座ってましたので、今度来るときには真似せねば・・・。

X30T2288
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/500 F5.6 ISO160 Astia COL:+1 medium high DR:100% / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft  resized by iMac

撮り始めてすぐに気がついたのは、ズームを前後させると、AFがなかなか合わない事です。
これはXF100-400mmでも多い事なんですが、それに輪をかけて遅い。
XC50-230も遅いですが、それよりは、少しだけ早いかな?っていうピント合焦速度です。

X30T2452
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/320 F7.1 ISO320 Astia COL:+1 medium high AWB DR:200% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

CL連写しても瞳にピントが来るのは本当にまれ。
AF-CでもAF-Sでも、ズーム位置を踊りの行進が近づいたり奥の人に合わせようと遠ざけたりした際に、ピントは素早く、ススッとやって来てくれません。

もう、これ、諦めな感じで、後は雰囲気で撮って消すしかないな、と、AF-Cにしてレリーズ優先を諦めた連写撮り的なスタイルへと断行しました。

X30T2553
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/250 F10 ISO320 Astia COL:+1 medium high AWB DR:200% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

SONYのα7R3にFE100-400だと、ズームを前後させてもピントが来るのはとても速いんです。内部的にプリAFが動いている感じでピントが合うのがとても速い。
それに慣れると、このXF55-200mmはその辺、プリAFオンにしたり、AF-CだけではなくAF-Sに切り替えたりと工夫しないと100枚撮って90枚くらい捨てる形規模の撮影になります。
なんというか、前後距離の合焦は・・・親指AF色々試しても厳しく、人と人の合間から狙う対象の人の切り替えは間に合わないことがかなりありました。

X30T2598
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/250 F8 ISO320 Astia COL:+1 medium high AWB DR:200% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

一度合えば、後は瞳に来やすくなるのでCL連写で撮りまくりなのですが、行進したり振り向いたりとかなりカメラ泣かせな動きをしています。突然飛び出すAF-C設定にしてもなかなかイイ感じが掴めません。

しかも、こういった踊りモノは、ピントが合うだけではダメな世界なんなですよね。
その時撮れている被写体の顔は変顔になってて本人の気持ちからしてみればこんなの撮らないで、と、言われてしまうような姿になっていないか、とか、目が瞑った状態になっていないか、とか、肌の露出が激しい被写体なので、際どいところは平気か、美しさや身体のひねりが綺麗かどうか、など、副次的に捨てざるを得ない写真がたくさん出てくるんですよね。

変顔や苦しそうなイメージ、シワが出過ぎていたり、目の向きが変な方向を向いたおかしい写真をチョイスするなんて、男として何があっても取り上げるわけにはいきません。

それだけに、ピントの合わない写真、AFが追いつかないレンズは厳しい目に晒されます。

X30T2706
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/250 F9 ISO320 Astia COL:+1 medium high AWB DR:200% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

また、サンバカーニバルは、実は衣装を愉しむパレードでもあります。
後から見て、これイイよね、と思うには、やはりある程度の解像感と色乗りが良く無いと面白くありません。
このレンズ、ASTIA COL+1と非常に相性が良く、良い色を出してきます。 

X30T2767
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/250 F8 ISO320 Astia COL:+1 medium high AWB DR:200% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

まぁ、露出が高いので、女性的なパーツの解像感だけは、絶対的に欲しい!という人も中に入るかもしれませんね(笑)
 
角度によっては際どい面も映り込みますからね、それを愉しみにする人もいるでしょう。
たぶん、1/2000sくらいで下から撮っていればお望みのものも。
立っている位置からの撮影で、1/250sでも、衣装の下に準備した隠し衣装まで見えてしまっている写真もいくつかありました。当然ここには載せませんけど(笑)

X30T2787
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/250 F7.1 ISO320 Astia COL:+1 medium high AWB DR:200% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

だから、四隅まで、とは言わなくても、狙ったところくらいピキッと写っていて欲しい需要はあると思います。
このレンズはそれなりに応えてくれていました。

飾り羽根がベースとなっている衣装がきめ細やかく、また、綺麗になびく姿などが写ってくれる、これは、まさに野鳥撮影みたいなものです。
ピントがピタッときて、バシっと綺麗に撮れると感動できます。
そういう意味で、非常に完成度は高いレンズだと思います。テレワイドのズーミングを切り替えた直後のAF速度だけが目につき、他はかなり優秀なんですから。

X30T2943
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/250 F10 ISO320 Astia COL:+1 medium high AWB DR:200% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

そうそう、人の動きを撮るときに自分的に心がけていることがあります。
それは、躍動感を出来るだけ表現出来るスピードにして撮りたい、という事です。

今回、1/250sを中心に撮り続けました。
もう少し落として1/80s〜1/125s程度までにして躍動感を付けたかったのですが、立ちんぼ手持ち、すし詰めな環境の疲れもあり、体制面で限界がこのスピードでした。
こういう時に手ブレ補正は重要になります。
が、その分、被写体ブレは諦めです。自分の手ブレも諦めです(笑)

いーいんです、等倍鑑賞なんてしませんから(笑) 

今回は自分の体力も無くて、1/250s程度になってしまって被写体の指先程度、しかもわずかしかブらせられませんでしたから、むしろ速度上げてキッチリ止めるべきだったかな・・・。

X30T2962
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/250 F9 ISO160 Astia COL:+1 medium high AWB DR:100% EV:-0.67 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

カーニバル、もっと撮っていたかったのですが、都合上、Sリーグ最後まで撮り続けるわけにはいきませんでした。
でも、XF55-200mmが自分に合うかどうレンズなのかどうかは大体わかりました。

X30T3417
FUJIFILM X-T30 XF55-200mmF3.5-4.8RLM OIS sspd:1/170 F5.0 ISO160 Astia COL:+1 medium high AWB DR:100% EV:-0.33 / H-Tn:+1 medium hard S-Tn:-1 medium soft SH:0  resized by iMac

えっと、XF55-200mmに対するレビューは、こんな感じです。

  • ボケや色乗りの良さはかなり良いが、XF50-140mm程良い訳ではない。
  • 望遠にしては少しだけ明るさがあるので曇りでもしっかりと使える。
  • ピントがキッチリ合えば、解像感も結構ある。ただし隅々までという訳ではない。
  • 重さ取りまわしも、XF100-400mmやXF50-140mmにテレコンプラスなどと比べて圧倒的に軽くて使いやすい。
  • 絞りリングに数値が無いが、ズームを多用してスピードとISO低くする撮り方中心になるのため、絞りオートで撮ることが多いため、数値表記が無いのは諦めがつく。
  • 価格が安価なので、XC50-230mmの新品を量販店などで買うくらいなら、こっちの方が良いと思われる。
  • 但しAF速度重視の被写体撮影には向かない。

総合的に、余力があれば、または、XF100-400mmやXF50-140mmにテレコン運用をしないつもりなら、持っててもイイ感じ、いや、買って損はないレンズかな、と思います。
特に静物中心の使い方ならイイと思います。

但し、ズーミングのテレワイド即切り替え的な前後を多用するような目の前の行進モノを撮るのにはAFが間に合わないので向いてないです。

次回のパレードには、体力回復してるだろうから、 XF100-400mmにしたいと思います。
お金があって重くても平気な人、体力もあるならXF50-140mmとテレコンでまかなった方が幸せになれるんじゃないかな?
ってアドバイスしたくなる、微妙な位置にいるレンズでもあります。


という感じでしょぅかね。

すみません、作っているメーカー側も多分、わかっていると思うんですけど、SONYのような70mm域から300、ないしは500mmくらいまである便利な中望遠の軽〜い奴で、AFが速いやつ。

やっぱりあったらイイなと思います。

もしくは、2倍のテレコンの知らぬ間にスッポ抜け対策してくれるなら、そしてF11対策してくれるなら、軽〜い中望遠を出してくれると嬉しい。
無い物ねだりばかりになっちゃう。
哀しい。
でも、APS-Cに望むのは、やっぱりそれ。

1.5kg超えてくるなら、望遠系はサードパーティーか、SONY行きが一番かな。
新しい200-600mmも生産追いつかないくらいみたいだしな・・・、あっちは中判(6×4.5cm判のデジタル)に届くくらいの解像度持っちゃったし、無理に張り合わなくていいけど、便利なものは欲しいのが使う側の勝手な意見(笑)

重いんだよな、白レンズ。